「北海道
真一文字にどこまでも続くストレートロード
どこまでも果てしなく透き通る大きな空
どこまでもどこまでもエメラルドグリーンに輝く海」
モーターサイクリストThe Touring Special '81
'81年の暑い夏、僕は東京でこの本に会った
高校時代、HONDA CB50は僕の足であり、友だった
原付9台の日帰りツーリング
30Km/hオーバーのスピード違反、免停、停学
大学1年、僕は車に乗ろうとしていた
夜になると部車で林道をひたすらとばしていた
ランサー1600GSR それが僕の新しい友になるはずだった
Z400も売り、もう少しで今の僕はなかった
だが、偶然、車は僕のものにならなかった
XJ400Special ここから僕の世界が始まった
'81年5月 親父が死んで
'81年の夏に僕の時間はなかった
新車のXJ400Specialもひとり京都で埃をかぶっていた
'81年11月 XJと僕は2人で山陰に旅立った
僕にとって初めてのロングツーリングに
遍歴放浪という言葉が好きになった 西行、芭蕉、放哉、山頭火
広島から下関まで行った
火の山から春の九州を夢見ていた
'82年は東京で迎えた
バイクが僕を呼んで落ち着かなかった
1月8日、僕は四国にいた
3月24日、僕は九州にいた
もう車のことなど頭にない
8月10日、最果ての地、北海道に向けて僕は京都を出ようとしている
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昼過ぎ、京都を出発。北海道の途中まではクラスの友達と4人のツーリングとなる。
夕方、舞鶴に着く。フェリー乗り場に行くと、もうフェリーは着岸していて北海道からの
帰りらしい泥だらけのバイクがたくさんいる。これから乗る方も三々五々バイクをとめて
何やら落ち着かない様子。8:00頃乗船。2等なので雑魚寝だ。9:00出航。
エンジンがかかり船が動き出す。いよいよあさっては北海道だ。
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京都で出発前
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今日は一日船の上で過ごす。外の天気はよい。デッキに出て、買っておいた本など読む。
船室にいるとローリングのせいか気分が悪くなる。やはり31時間の船旅は苦痛だ。
船内は物も高い。
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8月12日
小樽―札幌―岩見沢―旭川―層雲峡
走行312Km
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AM4:00前、船内放送が小樽が近いことを告げる。デッキに出てみると、薄明かりの中に小樽港が
ひっそりと見えている。遂にやって来たのだ、北海道に。荷物をまとめて船倉へ。たくさんのバイクが
ウォームアップしている。接岸し、出口が開くと、1台づつ、はやる気持ちをおさえるように
降りていく。出たところで友達を待っていると、他のバイクはみんな思い思いに出発してゆく。
夜明け前の空にそれぞれのエキゾースト・ノートを響かせながら。
僕らも4人そろったところで、札幌へ向けてスタート。寒い。夏だというのに。何もかもが北海道を感じさせてくれる。
1時間あまり走って札幌駅に。ツーリングバイクが数十台。駅で寝ているようだ。
R12で岩見沢から「日本一長い直線路」を走る。2車線の道路がひたすら続いている。
道の両側の家は木造が多く、何か、明治の開拓時代の面影が残っているような気がする。
右折してR38で富良野へ。やっぱり、田舎の街並が本州とは違う。富良野は「へその町」と呼ばれている。
富良野から旭川への道R237は緑の平原が両側に広がり北海道のイメージどおりだ。
旭川からR39で層雲峡へ。北海道の道はRの大きいコーナーばかりだ。スピードにも慣れ、みんなで抜きつ抜かれつの
競争をする。途中、アイヌの店に熊がいたので寄る。小熊は鎖でつながれ、かわいそうだった。
層雲峡キャンプ場に着いてテントを張り、食事の用意をしていると雨。
僕にはテントで寝るのははじめての体験だ。ビールを飲んで寝る。
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R12の「日本一長い直線路」
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8月13日
層雲峡―北見―弟子屈―屈斜路湖(和琴半島)
走行173Km
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朝起きると雨は降っていない。まわりは山に囲まれているが、どれも丸い小山といった感じで
険しさはない。ロープウェイで黒岳に登る。中腹から下をみると雲海がなんともいえず美しい。
温泉に入り、昼過ぎに出発。R39、大雪国道で北見へ。途中の大雪ダムは十津川あたりの風景に似ている。
石北峠を過ぎると道は平坦となり両側には原生林がひろがる。曇っていた天気も次第に晴れとなり気分は最高。
その中を70〜80Km/hで走る。ツーリングバイクも多い。ピースの連続。
3:00に北見で昼食。草原の中から急に北見市街が現れる。外国のような
感じだ。美幌を通り、美幌峠へ。霧が流れる峠を登りつめると目前が急に
ひらけ、屈斜路湖が海のようにひろがる。中島が浮かんでいる。これは感動的だ。
和琴半島のキャンプ場に着くころにはもう日暮れ。いそいでテントをはる。屈斜路湖は、波もなく、
まわりを原生林に囲まれた静かな湖だ。クッシーがいても不思議ではない。
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層雲峡、黒岳の頂上付近にて
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大雪ダム、十津川あたりに似ている
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ハイウェイペグに足をのせて、大雪国道を走る
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屈斜路湖、和琴半島キャンプ場
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8月14日
屈斜路湖―阿寒町―厚岸(子野日公園)
走行223Km
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夜中に大雨。朝、一時は晴れるがまた降り出す。カッパを着てスタート。
国道をそれ、湖の東岸を走り摩周湖へ。展望台へのワインディングは雨でせめられない。
展望台につくと、摩周湖は霧に覆われている。しかし反対側の山にかかる雲海は美しい。
弟子屈からR241で阿寒湖へ。湖岸で写真。まりも国道R240を南下して釧路へ。Ave70Km/hくらいで走り抜ける。
天気も良くなり実に気分がいい。両側は牧場。ウォークマンで音楽を聴きながら走る。
釧路で昼食。R44で厚岸へ。公園でキャンプ。通り雨にあわてるが、夜はよく晴れ、星が綺麗だった。
他のツーリングライダー達は僕等がキャンプしている前を通り過ぎてゆく。どうやらダートを走って
霧多布まで行くようだ。
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北海道3泊めのキャンプ地、厚岸の子野日公園
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朝起きると快晴、雲ひとつない。友達がRG250でダートは走りたがらないのでR44に戻って根室へ。
根釧国道R44はなかなかだ。道の両側は牧場で、牛がのんびり草を食んでいる。サイロを入れて写真。
見通しのよい直線が続くので警察を気にしながらも140Km/hを記録。左側に見えた風蓮湖は水のきれいな
湿地帯のようだ。見ていて吸い込まれそうになる。
根室はなかなか大きい都市だ。止まらずに納沙布岬へ向かう。根室半島はほとんど平坦なので
地形がよく分かる。本州で岬にむかうときの山の中のワインディングがここにはない。一面の草原で牧場に
なっている。遠くには馬や牛があそんでいる。
岬には北方領土の看板。自衛隊が大挙視察に来る。
根室からR44をもどり、厚床からR244で標津へ。みんな空腹となるが、食堂ひとつない。
やっと尾岱沼で昼食。その後3人と別れてひとりで羅臼へ。途中、野付半島によってトドワラを見る。
標津を過ぎると曇りとなり、寒くなる。オホーツクの海も鉛色だ。
4:00羅臼着。YHに荷物を置いてセセキ温泉に向かうが霧雨でとても寒い。セセキに着くと
潮の加減か温泉などはなく、無駄骨に終わる。おかげでカゼ気味となる。
羅臼YHは冷めたYHでミーティングもあっさりしている。男がほとんど。早々に寝る。
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平坦な根室半島の道
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野付半島の道。両側に海。
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トドワラ。何千年にわたって立ち枯れとなった木のこと
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7:00出発。知床横断道路を通る。羅臼町内は曇りだったが、知床峠に登るに
つれて霧がはれ、羅臼の街が霧の底に沈んで見える。峠は晴。羅臼岳が目の前に
そびえている。国後島は、靄にかすんで、かすかにしか見えない。
峠を下ってしばらく行くとダートイン。それほどひどい道ではない。3〜4キロでおわる。
宇登呂港に寄るが名物の岩の景色はそれほどでもない。斜里に
行く途中のオシンコシンの滝は変わっていてよかった。 斜里町内でパンと
コーヒーを買い、国道沿いにバイクを止めて朝食。R244で網走へ。
途中のトーフツ湖の小清水原生花園は盛りを過ぎて咲く花も少ない。
昼前に網走に着く。天都山に登って流氷博物館に入る。さまざまな流氷の写真があって興味深い。
流氷のぶつかる音の大きさには驚いた。展望台からの360°の展望はすばらしく、
特に網走湖は美しかった。
山をおりて網走刑務所に行く。すごい観光客だ。中には本当の囚人がいるというのに。何か興味本位のようで、
これでいいのだろうか。という私も写真を一枚撮る。
R238は網走湖、能取湖と湖岸を走る。途中で国道をそれて能取岬に向かうが、道に迷って引き返す。
このあたりはジャガイモ畑で、緑が美しい。名前もわからない漁港によって、しばらく休む。
海は青く、観光客もいないし、最高だ。
国道にもどり、常呂を通ってサロマ湖へ。北岸の竜宮台へ3時前につく。
夕日を見るにはまだ早いので湧別町まで行って昼食。湧別川の河口で暇をつぶす。ここの夕日もなかなかきれいだ。
小樽からきたという人と話をする。ついつい話し込んで時間がなくなり100Km/hで竜宮台に取って返すが、
すでに夕日は半分沈んでいる。途中、バックミラーに映った夕日はまっ赤で大きかった。
いそいで写真を撮り、街はずれのバス停で野宿。
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知床横断道路を登っていくと、霧が晴れてくる
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峠の中程から羅臼の方を望む。羅臼は雲海の下
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知床峠は快晴。
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国道沿いでパンと牛乳の朝食
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天都山展望台からの網走湖
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網走刑務所では思わず観光客する。囚人の皆さんゴメンナサイ。
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能取岬に行けず、名前も知らない漁港で休む。(能取漁港でした。)
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ジャガイモ畑の緑が美しい
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湧別川の河口にて
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サロマ湖の夕日
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8月17日
サロマ湖―紋別―宗谷岬―稚内
走行294Km
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朝6:00に起きる。昨夜はおっさんがバス停の戸をあけたのにびっくりして
あまり眠れなかった。チェーンを張り、6:30スタート。早朝のストレートは
気持ちが良い。快調にとばして紋別に着く。展望台に登ると、
眼下には紋別市街から、はるかにサロマ湖のあたりまでみえる。冬なら流氷が
見えるはずだ。さらに北上を続ける。天気もよく、オホーツクの海は青い。
枝幸で千畳岩による。枝幸の街はどこかうらさびしい感じがした。国道沿いには廃屋や廃船などが転々と
ちらばって、砂浜には海鳥が群れている。神威岬は雲がかかり神秘的だった。
このあたりからオホーツク国道は宗谷国道と名を変える。風も冷たくなり、いよいよ最果てに近づいている
感じがする。
浜頓別でベニヤ原生花園にいく。どこの原生花園もそうだが、もう季節はずれで
花などない。ダートを走って湿地帯の中の砂地に出る。XV750がいた。しばしのバイク談義の後別れる。
クッチャロ湖を左にみて宗谷国道を猿払原野へ。牧場と海のあいだを道は真っ直ぐに続いている。
人工の物は道路と両側の電柱のみ。写真でよく見るアメリカのあの感じだ。
牧場がなくなると原野。海も鉛色にかわり霧が出始める。あまりのさみしさに何か叫びたくなる。
ロシア船の遭難碑をみて昼食。昭和14年の冬、この沖合いで何百人もの人が死んだのだった。
夏でもこれだけうら寂しい処の冬の情景とはどんなものだろう。
霧の中をGSXの後ろについて100Km/hくらいで走り、1:45、ついに最北端、宗谷岬に到着。
岬という感じはなく、最北端の碑でそれを知るという感じ。流石にバイクも多い。最北端から手紙を書く。
岬をまわると霧は晴れ、稚内は好天。ノシャップ岬にいくがここも岬の感じがしない。水族館に入る。小学校の
遠足以来の久しぶりの水族館は、なかなか面白かった。
今夜は稚内駅泊まりなので時間がある。暇つぶしに稚内公園に登り、銭湯に入り、夕食。再び岬へ行って夕暮れをみる。
ナベサダの曲が心にしみる。7:30稚内駅。バイクとチャリンコが分かれて陣取っている。バイクの仲間とビールで乾杯。
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紋別の流氷展望台より
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オホーツク国道にて
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宗谷国道にて、背景に神威岬がかすむ
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浜頓別のベニヤ原生花園
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霧の猿払のうら寂しい海岸風景
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インディギルカ号遭難碑
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1:45 最北端 宗谷岬に到着
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8月18日
稚内―美深―士別―南富良野―帯広
走行455Km
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5時頃、トラックの音で目が覚める。駅員にもう起きてくれといわれ、
5:40出発。朝霧の中を南下。兜沼によるが、どこに沼があるのかよくわからない。
稚咲内の海岸に出る。海には利尻島が浮かび利尻富士が見えるが、あいにく雲がかかっている。
S&Gを聴きながらしばらく海を眺める。まわりには誰もいない。いい時間だ。名残惜しいが
30分ほどで出発。何とすがすがしい朝。サロベツは東側の猿払と較べると天国のようだった。
さらに南下。幌別で日本海沿いの天売国道か、内陸部の中川国道か迷う。内陸部にしたが、景色は本州の山梨・信州
あたりのようで、後悔する。中川、音威子府を通り、美深からR275で朱鞠内湖へ。途中からダートとなり、
玉石のゴロゴロした道は相当走りにくかった。眺望のきく場所もなさそうで、全景が見渡せない。
キャンプして落ち着かないとそのよさは分からないのだろう。母子里の集落は鉄道が通り高原のムードがあってよかった。
士別でR40に戻り南下して旭川に向かう。途中、テレビCMで有名になった比布神社に寄る。箒までがおいてあったので、
それで記念撮影。旭川ではアイヌ記念館に行く。アイヌの服きて写真。旭川から富良野までは前走った道だが、
反対向きに走ると十勝岳の雄大さががよくわかった。
富良野を通ってさらに南下。狩勝峠にさしかかると霧雨から本降りとなり、トンネルの中でカッパを着る。
晴れていれば十勝平野が見渡せるはずなのだが。
帯広まではずっと下り。あいかわらず霧雨。親父の形見となった三脚を落としてしまう。がっくりきた。民宿に泊まろうと
思ったが、みつからないので駅に寝る。
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サロベツ原野は快晴
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朱鞠内湖、全景が見渡せない
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ダートは途中玉石で走りにくい
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TVのCMで有名になった比布神社。箒まで置いてあった。
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旭川のアイヌ記念館にて。衣装を着て写真
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旭川から富良野まで雄大な十勝岳を見て走る
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8月19日
帯広―広尾―幌別 ―苫小牧 ―札幌
走行396Km
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帯広駅を7時過ぎに出発。曇り。愛国駅に行くと昨日いっしょだったXLの
人がいる。写真撮って幸福駅へ。ここは無人駅だが、中に店があって土産を
売っている。切符のキーホルダーを買う。駅の中には名刺やら、定期やら、
交通違反の切符やらが、びっしりと張ってある。
幸福駅からは、一路、えりも岬をめざす。行く手はどうやら明るくなっている。黄金道路に入ると
また霧。風も強く、しぶきがかかる。途中でカニとイカを食べる。
しめて1500円。カニはあまりうまくなかった。黄金道路は期待していた
のとは違い、最初はどこにでもある海沿いの道という感じだったが、岬に
近づくにつれて覆道が多くなり、崖がくずれて工事している箇所がかなり
あるのを見ると、やはり大変な道なのだというのが分かる。
えりも町で国道を離れ岬に向かうが霧がひどくてせっかくの百人浜もよく見えない。岬もやっぱり
霧。海はまったく見えない。看板と灯台の前で写真だけ撮って、早々に引き上げる。
国道をとばして苫小牧へ。牧場によるつもりだったが、霧のため
パス。苫小牧駅に行くと、チャリンコ族はいるが、バイク族は少なく、駅も
狭くて寝れそうにもない。三脚だけ買って、熱くなった頭を冷やそうとサ店に
入る。店のネーチャンにいろいろ聞いたりして、結局、札幌まで行って
寝ることにする。もう、やけくそで支笏湖への道道を100Km/hぐらいでとばす。
すると、なんと晴れてきたではないか。サ店のネーチャンが気候が変わるから
晴れているかもしれないといったのが当たった。思わず快哉を叫ぶ。ザマーミロ!
支笏湖に着くと急いでカッパをぬいで、有料道路へ。視界がひらけると、左側に
波も荒い支笏湖が、背景に不死岳をいただいて広がる。
恵庭岳は雲がかかっている。支笏湖はまるで海のようだ。水深が深いせいか水の
色は青く、はるかにひろがっている。雄大な景色を眺めながら札幌へ。
札幌までの道道は原生林の中のワインディングで久々にコーナーをせめる。
途中で熊に注意の看板、絵が面白かった。札幌市街はビルが立ち並んでいる。
前は早朝、北側をちょっと通っただけだったが、今日は南から市の中心を駅まで
走った。
駅に着くとバイクはあるがライダーがいない。しかたなくボケーっと
していると、埼玉のGP400のニーチャンが来る。
三級整備士を持っているそうで、ちょっと族っぽいが、メカには詳しい。
車の話などもする。ビールを飲んで寝る。
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朝の帯広駅。昨日の雨は止む。
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愛国駅
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幸福駅。切符のキーホルダーを買う。
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黄金道路は雨。途中でイカとカニを食べる。
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えりも岬は霧で何もみえない。
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えりも岬灯台
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霧の苫小牧から支笏湖に行くと晴れ
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波も荒く、海のような支笏湖
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今夜の宿は札幌駅。
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8月20日
札幌―オロフレ峠―伊達 ―岩内
走行360Km
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昨夜はトイレに行こうとしたら駅は閉まっていてダメ。あちこちうろうろした
挙句、交番のトイレを借りる。ポリさんにいろいろ聞かれるが、トイレを
借りた引け目があるので素直に答える。
6:30に駅を出発。市庁舎を見たあと、
北大に行く。北大のキャンパスは京大とちがい、広くて、緑も多く、噴水など
もある。観光客が行くわけだ。札幌は快晴でポプラ並木が太陽に輝いて、
すがすがしい。散歩、ジョギングの人も結構いる。R230で南下。藻岩山
有料道路は8:30からだったが、8:05にいれてくれた。頂上の展望台も60円
を只にしてくれてラッキーだった。展望台からは札幌市街が一望にできる。
パンと牛乳で朝食。R230、R276で喜茂別、大滝と通り、オロフレ峠へ。
しかしまた霧。展望台からは何もみえない。ちょっと待ったがダメだった。
峠の下りはダートがあったが構わずとばす。クッタラ湖へは行かずにR36で
室蘭へ。また霧。市内は晴れていたが、地球岬へ行くと霧。クソー!
霧をバックに写真。
伊達市でオイル交換。ホンダのしかなかった。
道道で洞爺湖へ。有珠山は異様な形をしていた。洞爺湖は支笏湖と対照的に波も
静か。かすんでいる中の島は幻想的で、湖岸に座ってしばらく眺める。留寿都、
真狩を通ってニセコへ。まだ4時過ぎなのでニセコ連峰をこえて岩内へむかう。
ここもまた霧。どうも山や岬は霧が多い。おまけにダートはあるし、交通量も
少ないで、心細い。岩内が見えたときはホッとしたが、岩内も天気がよくない。
寒くてしょうがないので銭湯を探す。夕食を食べ、雷電海岸の方へ向かって
走るとちょうどよいバス停があったので今夜の宿とする。
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藻岩山から札幌市街
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藻岩山山頂にて
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藻岩山有料道路にて
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8月21日
岩内―瀬棚―江差―函館―(青函フェリー)―青森
走行179Km
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朝、バス停で目を覚ましてうろうろしていると、近くの家の人が顔を洗えと
いってくれる。水道を借りて、歯をみがき、顔を洗う。礼をいって出発。
天気はよくない。雷電海岸も曇りと時折降る雨。岩の風景は面白いところも
ある。江差でニシン漁の網元の旧家をみる。小雨まじりの天気はここには
うってつけ。江戸の昔には、ここでたくさんの人が働いていたのだろう。
函館に向かう途中でネズミ捕りにかかる。注意力がなくなっている。
対向車のパッシングにも気づかぬとは。やはり10日間の野宿はこたえた。
函館の駅でどうしようか迷う。ホテルに泊まって体力を回復させるか。
駅で寝るか。すると、見た事のあるCB750F。帯広で会った横浜の人だ。
夕方の連絡船で青森に渡るという。結局、いっしょに行くことにする。
船の中でよくよく話しをすると、山梨県武川村の出身。はじめて山梨県人に
会う。ローカルな話題に終始。青森に着いて仮眠所で寝る。
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江差で、ニシン漁の網本の旧家をみる
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8月22日
青森―三戸―滝沢 ―林田―川口―武蔵野
走行780Km
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三戸まで国道を走り、東北自動車道へ。CB750Fの雨宮さんは田沢湖の友達のところへ行くそうなので、途中で別れる。
ひたすら東京へ。日曜日で高速のGSはほとんど閉まっていて、開いているとことは長蛇の列。とても待てないので
一度高速を降りて休みのGSに頼み込んで入れて貰う。あとは90Km/hの省エネ運転で夕暮れに何とか親戚の家にたどり着いた。
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青函フェリー青森ターミナル前にて、出発前
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武蔵野にて。長旅のよごれを落としたXJと。
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こうして僕の北海道ツーリングは終わった。後半は天候に恵まれず、野宿が続いて疲れが溜まった
こともあり、もうひとつピリッとしなかったが、北海道は一度で終わるところではない。
今度はキャンプをしながら余裕のある旅がしたい。それまで北海道よ、さようなら。
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