南カリフォルニア・Baja 砂漠ツーリング

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2023年1月2日:

2008年に公開したものの改訂版です。当時はプロバイダーの容量制限もあり、画像も小さくせざるを得ませんでした。 日記文もオリジナルからかなり割愛して載せていました。 今回はオリジナル日記文、大きい写真、パノラマ写真、当時は載せなかった写真も追加しています。




プロローグ

永らく振りのツーリングである。ソロである。野宿である。カリフォルニアの砂漠である。

きっかけは、91年夏のコロラド。KDX200によるオフロードツアー。

90年暮れにテキサスのジャックのバイクツアーでメキシコのカッパーキャニオンを走り、 コロラドではフランソワというフランス人と知り合う。彼は、元プロのエンデューロライダーであり、Baja1000などにも参戦している。 日系人を妻とし、サンディエゴ近郊在住。

New YorkはLong Islandに住んで2年半。BMW K100RSは買ったものの、平坦で直線ばかりの単調な東海岸で、ほとんどバイクツーリングなど忘れかけていた。 小生もすでに異国の地で31才を迎え、バイク仲間の友人達は次々と結婚し、足を洗い始めている。

92年冬、友人も少ないNYのクリスマスを独りで過ごすに耐えかね、1年振りにフランソワに電話してみる。彼はSunsetOffroadという名で、 フランス人相手にバイク・4駆ツアーを企画している。バイクレンタル、Baja1000のサポートもやる。

XT600をレンタルすることとなり、2週間のオフロードランとなる。出発前にコースについて、詳細な地図をもとにアドバイスを受ける。





ツーリングコース図





NYからサンディエゴへの飛行機から。空港へはフランソワが迎えに来てくれた。

空き時間にTemeculaのダウンタウンを観光






1992年12月21日

9時。フランソワ宅を出発。フランソワが息子のジュリアンと2人乗りでHondaのモンキーで見送ってくれる。R79を東へ。久々のツーリングなので、まったく勘が狂っている。それでも30分程走るうちに少しづつ調子を 取り戻す。NYの平凡、退屈な風景と較べると、ひらけた大地、遠く近くの岩山、まったく新鮮だ。40〜50MPHでゆっくり走る。車にどんどん追い抜かれる。AguanzaでR371へ。峠を登ってゆく。 樹木は少なく、丸い岩の露出した奇妙な風景。頂上付近、展望のきくところでバイクをとめる。西の方、かなたに湖がみえる。地図でみるとLakeSkinnerのようだ。登り詰めると高原、Anzaの集落。




朝9時。Temeculaにあるフランソワの自宅にて、出発前。




フランソワと息子のジュリアン。ホンダモンキーに2人乗りで見送ってくれる。




フランソワの自宅近くのダートで、軽く練習走行。
ついでにフランソワに走行写真を撮ってもらった。
ソロツーリングなので、これが唯一。




R371の頂上付近
2022年11月のソルトン・シー ツーリング でも停まった処だったのを完全に忘れていた。 屋根の上の置物はずっとあったのだ。当時あった博物館の看板は無くなっていたが・・・・

ググったところ、入館者が減って1993年に閉館になったとのこと。自分も外で写真撮っただけで入館しなかったし。










R371、Anzaの集落を過ぎたあたり。




行く手にはさらに山並み。標高3000フィートの標識、R74へ。さらに登る。San Bernardino National Forestに入る。 標高4000フィートとなる。ワインディングの下り、ダートが左右いたるところにみえる。ちょっと左にそれてダートイン。 谷のむこうは山、さらにそのむこうに雪をかぶった山並みもみえる。エンジンをとめると、静寂、時折ジェット機の音が聞こえるのみ。

R74をさらに下る。左手にSugarloafMt.がみえてくる。丸い岩が一面を覆っている。右側は谷、DeepCanyonと名がついている。さらに下る。視界がひらけCoachellaValleyの大平原がみえてくる。 PalmDesertの街がみえる。そのむこう側はLittleSanBernadinoMtns.のまた山並み。








San Bernardinoの山並み。
(画像をクリックするとパノラマになります。)




ビスタポイントに寄る。




ビスタポイントから、Coachella Valleyの平原とPalm Desertの街、
その向こうにはLittle San Bernardinoの山並み。
(画像をクリックするとパノラマになります。)




下りきってPalmDesertの街にはいる。R111をPalmSpringsに向かいかけるが、気が変わってUターン。PalmSpringsはHollywoodの有名人たちの別荘のある観光地のようだが、 きたないバイク姿で歩き回るのもなんなので野宿に徹することにする。PalmDesertからIndioへのR111は、CoachellaValleyの平原を真直ぐに走り、両側にはホテル、レストラン、豪邸が立ち並ぶ。 PalmTreeも高々と並んでいる。

Indioにて買い物。Chineseで昼食。ビール、食料を仕入れてR111から左折して北へ。もうすぐ本日メインのダートだ。ダート入り口には標識などないので、勘と地図に頼るしかない。 フランソワに教えられた通り、R111の交差点からダート入り口までの距離をもとにする。最初一本間違えて引き返す。その後それらしい直線のダートを発見。いよいよ始まりだ。





この標識はオフロード使用制限を表すもの。車、バイク、徒歩などに分かれて制限がある。





どんどん走ってゆくと、道はなくなり、Washと呼ばれる水無し川に沿ってゆくことになる。4駆、バイクの轍があるので道のようにはなっているが。 谷のなかにどんどん入ってゆく。川床のダートで砂と玉石。一年以上のブランクでなかなかXT600を操れない。とにかく転ばぬように走ってゆく。










谷はくねっていって、どんどん深くなり視界がきかなくなる。一見行き止まりのように見えるが、 走ってゆくと回り込んでさらに道が続いている。 分岐が結構あり道に迷いそうになる。フランソワのアドバイス通り一番メインらしいルート、すなわち、轍のもっともたくさんあるルートを進む。これでOKかどうかは明日にならないと分からない。 違っていたら、引き返して別の谷に入ってゆくのみだ。









3時を回り、冬の短い陽が西に傾きはじめる。今日はこのあたりで野宿となりそうだ。狭い谷を抜けて開けたところで4時。ここでテントを張る。








張っていると、4時半くらいで陽は沈んだ。ビールを飲みながら夕暮れの空を見つめる。頭が空っぽになる。 静寂。風の音。夜は満点の星空。寒さはそれ程でもない。このルートが正解であることを祈るのみだ。









(走行:110マイル)

コース図 (当時の日記を元に推定)



グーグルマップと当時の日記から野宿場所を推定してみました。


でも、現在はこんな入り口。当時もこれなら、絶対行かないよねえ・・


こっちかなあ・・・・・ まあ、どちらも同じ場所に行くんだけど





12月22日

日の出前に起床。昨夜は大風でひどかった。ペグが砂地用でないので風で抜けてしまう。夜中、一度は打ち直すがやはりダメ。明るくなるのを待って早々にテントをたたむ。8時前に出発。 ルートはどんどん険しくなる。山の頂上へ向かっての急な登り。途中で諦める。荷物満載のXT600ではとても無理だ。 しかし景色は雄大。南方にはSalton Seaがみえる。地図には載ってないが、そちらに向かう道があるので、それに沿って下る。下ると平坦なWashになる。やがてインターステートハイウェイ I−10 に平行して走るダートに入る。東へ。I−10に無理やり入る。








数マイル走るとJoshua Tree National Monument入り口の標識。左折して登ってゆく。風が冷たくなる。VisitorCenterで$5払い、ついでに絵葉書も買う。 さらに登り。標高4000フィートとなりPintoBasenで視界がひらける。ChollaCactusGardenによる。棘が花のようなサボテンがあたり一面に生えている。さらに登ってゆくと、奇妙な 形をした大岩がみえてくる。奇妙な風景だ。しかし寒い。




国立公園のJoshua Tree National Monumentに行く。
これがその名の由来のJoshua Tree。




SplitRockによる。その名のとおり、高さ数十メートルの丸い大岩が真二つに割れている。あたり一帯は奇岩だらけ。













道路沿いの奇岩
(画像をクリックするとパノラマになります。)




JumboRocksを経て、QueenValleyで舗装路をはずれて右折、ダートイン。こんどは一面にJoshuaTreeが生えている。 これがここのNationalParkの名前の由来だ。

HiddenValleyに入るとさらに奇岩の連続。舗装路へのつきあたりにキャンプ場があり、キャンパーがかなりいる。岩登りしている人もいる。 舗装路をKeysViewへ。KeysViewは標高5185フィート(1500m)、風猛烈に強く寒さもピーク。遠く、SaltonSea、SanJacintoMtns.の山並み、メキシコを望む。 すぐ眼下には、これから下るCanyonをいだく山々。寒いので早々に引き上げる。





Keys Viewから Salton Sea、San Jacinto Mtns.、メキシコを望む。





Queen Valleyまで舗装を走り右折。これが本来登ってくるべきだったダートの反対側入り口だ。ゆるい下り、ほぼ直線。50〜60MPHで走ってゆく。 奇岩、JoshuaTreeが少なくなる。SquawTank(Tank=水源のことか?)を過ぎるとPleasntValleyの平原、こんどはゆるい登り。 ダートは適度なワインディングで快走。ガスが少ないのが気になるが、下りなので大丈夫だろう。やがてBerdooCanyonの標識。渇いた沢沿いに下ってゆく。 今朝のルートとどうつながるのか興味津々だが、どうみても山など越えそうにない。ひたすら沢沿いだ。これなら登りも難しくない。今朝は道も良く分からず少々腹も立ったが、どうやらまったく別のルートのようだ。 やがて舗装路に入り、見覚えのある風景。しかもBerdoo Canyon Rd.の標識まである。昨日曲がったルートは1〜2マイルIndio寄りだったのだ。地図で距離計算を間違えたようだ。








勝手知ったるIndioの街で、まずKマートに直行。砂地用のテントのペグを買う。昨日と同じChineseで昼食。ビールを買い、R111を南へ。もう3時過ぎ。日が落ち始める。 Meccaで東へ。本日の野宿地、Painted Canyonはすぐ見つかった。ダートイン、どんどん入ってゆくと左右には高さ数十メートルの断崖。ちょっと開けたところにテントを張る。 今日は大風に備えてペグをしっかり打ち、石を置く。ビールを飲むころには日が暮れた。








(走行:128マイル)

コース図 (当時の日記を元に推定)





12月23日

8時半起床。昨夜の風はそれ程でもない。ベーグルをかじって朝食。出発は9時過ぎ。Canyonの行き止まりまでゆく。四駆のカップルがいる。昨夜通り過ぎたのだろうか?まったく気付かなかったが。 朝、出発してダートの終点まで行く。フランソワによると、絶壁の道は、探検すればバイク1台しか通れない程の細いものもあるようだ。










絶壁の風景を写真にとる。昨日の道を逆走。Painted Canyonを出るとまた展望が開け、前方に山並みとSalton Seaが見える。




Painted Canyonの出口
(画像をクリックするとパノラマになります。)






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